年金改正私案
現在既に巨大なシステムがあるので、実現までの課題は多いと思いますが、ここでは、それらの課題への解決策はおいておき、目指すべき方向性についての私見のみ記します。
なお、年金制度の正当性を確保するための手続きについての私見は、別に取り上げています。
年金とNHK
○結論
- 国営の保険制度廃止
- 生活の基礎部分に関しては生活保護に吸収、財源は税でまかなう
- 国は民間企業による年金制度を補助
以下でその根拠を述べます。
○年金制度で実現すべきものは何か?
年金制度の根拠は、憲法25条2項です。
25条2項:国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
社会福祉等の向上について、具体的な方法は憲法では決められておらず、それらは年金法及び関連諸法令で規定されています。
25条2項の目的実現のためには、例えば、ボランティア促進法のようなものを作成して、国民相互の自助努力によって老後保障などを確保するという方法論も考えられなくもないですが、まぁ、普通に考えたら金銭支給~つまり年金制度~が実際的だと思います。ただし、どこまでの金銭支給が必要かは考えどころです。まずは、生活保護(※)との関連を考えなくてはいけません。
よく、老後に生活できるようにするために、年金制度が必要だという意見を見かけますが、単に生活というレベルだけで考えると、これは生活保護の範疇だと考えます(障害者年金等も含みます)。
結局、憲法25条2項を実現するために作られている年金制度とは、最低限以上の豊かな生活を送るための制度と考えることができます。生活保護と年金制度の境目を見直し、必要であれば税金のアップなど(生活保護の原資は税金)も考えなければいけません。
※生活保護は、同じ憲法25条の1項を根拠としています。
25条1項:すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
○年金制度は加入必須か?
何を豊かな生活と考えるかは、個人の価値観によります。
健康で文化的であれば最低限でもいいと考える人もいるでしょうし、現役時代と同様の生活水準でないとだめだと考える人もいるでしょう。
また、将来の生活のために、現在どれだけのリスクを取ると考えるかも個人の価値観の問題です。
国は、国民に豊かな生活を送らせるためにどうしたらいいかを考えるべきですが、国で決めた支給方法・支給額のために国民全員を保険に加入させ、保険料を徴収しなければならない必然性はありません。
他に方法がないか、国民全てが納得しているのであれば話は別ですが、国民皆保険の年金制度は、まったく憲法の要請ではないどころか思想や財産権の自由に抵触する可能性すらあります。
他にいい方法があれば、年金制度への加入は任意とすべきです。
○個人の意思を反映するには
上述したとおり、年金制度に求めるものは、個人によって異なります。
国が、個人毎の年金制度を構築してもいいですが、効率やノウハウの面で不安が残ります。
ではどうするか、そう、年金制度を民間に完全に移管するのです。
競争のある民間年金では、利益を生み出すために個人にあった商品開発やコスト削減が行われます。
国民にとっては、自分の志向にあった年金を選択できることになり、結果、無駄がなく納得性の高い年金制度が期待できます。
○民間年金制度と国の関与
現在も民間年金はあります。しかし、公的年金に比べて普及しているとはいえません。
これはなぜでしょうか?
一番大きいのは、圧倒的に競争力のある公的年金が既に存在しているということがあります。
郵便局問題も似たようなものですが、年金の場合は"国民皆保険”ということで、より民間には厳しい競争条件になっています。
国としては、公的年金として自ら事業を展開することを止めるとともに、民間の市場を成立させるために再保険の拡充や、国民への広報などバックボーンの充実に力を入れるべきだと考えます。





